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阿部恭平の
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Vol.088
2019 02/03 Sun.
カテゴリー:

平凡な、稀有な1日

2/2が終わった。個人的に私がある種の敬意を払う人達の誕生日だ。ハイフェッツ、クライスラー、ジョイスの3人。元々私は低音楽器ということもあり、チェロの音などを好んでいたのだけれど、自分から意識的にバイオリンを聞くようになったときにはやはりバッハのシャコンヌに惹かれた。で、その中でもハイフェッツのシャコンヌが1番魅力的に感じた。
シャコンヌやマタイ受難曲、ベートーベンの第九など素晴らしい曲は山ほどあるが、安っぽい音色でやられても心が揺り動かされるようなことはない。どれだけ完璧に譜面の音を再現しても機械の音ではBGMにしか聞こえないだろう。それだからこそ演奏の意味はあるし、責任もあると言える。そういう意味ではハイフェッツのニュアンスは私にとって最高の部類だった。CD屋などで「これ誰だろう?良いバイオリンだな」と調べに行くとハイフェッツ、ということもよくあった。
クライスラーも個性的なバイオリン奏者と思うが、正直に言ってハイフェッツほど心が惹かれることはない。録音が少ないのもあるかもしれないが。ただバイオリンの名曲を多く作った姿勢はすごく好ましい。何でも作る作曲家も魅力的であるが、一つの楽器にこだわるところに職人らしさを感じる。ラフマニノフ、ショパンしかり。
ジョイスは大学の頃に最も熱中した作家だ。モダニズム文学として、手法やアイディア、難解さなどを評価されることが多いが、何より彼のテーマが好きだった。人間は完璧でなく、聖と俗が共存して成り立っている。不倫におぼれる女性も過去を思い出し夫とやり直そうと決意することもあるし、特に面白みもない平凡な男が苦悩する青年を救うこともある。(このへんは長くなるので割愛。興味ある方はユリシーズなどをどうぞ)
いずれにせよこのような私のアイドル達が20世紀前半にはヨーロッパのどこかでこの日に何らかの形で誕生日を祝われていたのだろう。そう思うと何でもない1日が、稀有なものに感じる。また来年もこの日にはこんなことを考えてるのかもしれない。

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