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Vol.129
2020 07/07 Tue.
カテゴリー:

コルタサルの短編とリルケの詩

ふと、コルタサルの「南部高速道路」を読みたくなった。よく「ペスト」が取り上げられているけれど、この半年ほどの停滞感みたいなものは通じるかも、と思ったもので。
高速道路で原因不明の渋滞が発生し、人々は何日も車内での生活を強いられる。早く解消しないかと苛立ちながら過ごすも、食事の供給は必要だし、体調悪くする人などもいて、見知らぬ人同士で車を越えてあらたな人間的なやりとりが発生する。ある日、道路が復旧したことが発表されると人々はそれまでのことはなかったように、各々の家に向かい一斉に走り出す。その様子を醒めた視線で描くと共に、不思議な解放感と人間のエネルギーを見せるような清々しいものだった(←ひどい説明。しかも確かめていないので曖昧な記憶)。

読みたくなって探してみるも見つからない。何年か前に実家のリフォームのときに処分してしまったのかもしれない。おそらく「また読みたくなりゃ図書館にでも行けば良い」と思ったんだろう。やれやれ。そういえば「いつかまた行きたいな」などとなんとなく思っていたダブリンもルーアンもジヴェルニーも結局一度行ったきりで、もうすぐ15年ほどになる。時間や経済的余裕がいくらあろうが(注:あるとは言ってない)、海外に行くことも出来ない時代になるとは世の中わからんものである。

リルケの「豹」の世界もこの閉塞感に通じるかも、と今思いついた。檻に入れられた豹はやがて柵しか見えず、柵の外の世界に気づかなくなってしまう。

気を取り直して古本でも、とコルタサルの名で検索してみると、読んだことのない作品が訳されていることを知る。安い。とりあえず柵の外を見据えるためにも「いつか、そのうち」ではなく、さっそく買うことにするか。

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