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Kyohei
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阿部恭平の
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Vol.182
2022 01/17 Mon.
カテゴリー:

空間とその作用

本来年内に済ます予定だった弓の毛替えに四ッ谷へ行く。年内の予定日の前日に彼から「申し訳ないが明日の午後はできなくなった」との連絡がきたため、年明けとなってしまった。会うと丁寧に詫びてくる。別に弓を多く使う予定の演奏もなかったし(彼には幼い子がいるので)「子供の用事だろうな、仕方なかろう」くらいにしか思ってなかったので、全く気にしていないことを伝えておいた。しばらく四ッ谷ホメリのコーヒーを満喫し、弓を取りに戻るとお詫びに、といつもより質の良い毛を張ってくれたとのこと。ありがたい。
その後新宿まで歩き、紀伊国屋書店へいく。思ったよりも本屋が混んでいてどこかホッとする。ナボコフの講演集やニーチェのツァラトゥストラを取ろうとする若者を見ると関係ないのに「いいぞ、いいぞ」と思う。講談社文芸文庫なんて欲しいけど高級でちょっとした憧れだったよなあ、などと思いながら、その本棚を眺める。相変わらず小綺麗なデザインと光沢紙、強気の値段で小難しそうな小説が並んでいるが、かつて私が特によく眺めていたころとはラインナップも色々変わっている。外国人作家、しかも他では訳されていないような長篇が中心だったはずたが、日本人作家のさほど長くない作品も数多い。20年ほどの間に文庫自体の価格もさらにあがっているようだった。(なおこの国の平均賃金は20年かわってないと聞く、、)
その中から読んだことのある作品の題名や作者の名前を見つけると何かを思い出したり、読んだことのない作品の題名からどんな作品なのか、と想像をふくらませる。ネット購入やキンドルでは得られない「空間による想像」みたいなものを充分に味わう。
その後CD屋。同じような感覚を味わう。フランスでも何度か聞いた素晴らしいサックス奏者のCDが異様に安かったので購入。帰宅して聞くと実に良い。このような偶然の出会いもCD屋ならではだろう。
キンドル、サブスクリーミング、ネット売買が当たり前となると、間違いなく古くさい感覚なんだろうが、やはり空間による作用みたいなものは他では得難いな、と改めて思う。それは場所や物によって想起したり関心をもったり、ふと意識を持っていかれたり、人間の感覚として失ってはならないものなんじゃないかな。もちろん音楽のコンサートだって空間による芸事ということになるのだろう。
と書いたところだが、まだまだ世相は物騒なようで。もうすぐ三年目か。いいかげん収まってほしいものだが

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