梅雨も明け暑くなった。熱中症への注意を呼びかける言葉を毎日のように目にする。暑過ぎるためプール禁止、なんてことも起きているらしい。逆ならともかく、自分が幼かった頃では考えられなかったことだ。
自分は熱中症になったことはないと思うのだが、一番暑かった思い出は何かと問われると、フランスで初めて迎えた七月のある日。かの国で生活し始めて数週間の頃だった。
言語学校の講義を受けた後、帰る途中に喉が乾く。飲み物を買おうとするも、あちらの自販機は札では買えず小銭がないと購入すらできない。(札を入れる場所すらない!)スーパーで買おうと思うも、パリ市内のスーパーはレジに長蛇の列が当たり前。店員も少ないし、早く捌こうとも考えていない。たいていの人がカードで支払おうとするが、そのカードの不具合で余計に時間がかかることもしばしば。そんなわけで皆一度に買い物をすませようとするからか、買い物かご5、6個分とか一気に買う人が多いという悪循環。よってペットボトル一本を買うのにも15~30分弱かかることもある。こう考えると日本の自販機やコンビニはとても便利で消費者に優しいね。
そんな時間かけるならさっさと家に、と必死に階段をあがって自分の部屋につくなり「硬水だから日本人に身体にあわない」と有名なヨーロッパの水道水をガブガブと飲んだ。煮沸なんかしてられないほど喉が乾いていた。その後しばらく横になって過ごした。それからというもの、パリのスーパーで比較的安そうなペリエのペットボトルを購入し、夏の間は冷蔵庫に常備するようになった。不思議とその習慣は日本でもそれは続いている。炭酸水はペリエが一番好みだ。
ヨーロッパは涼しいというが、そうとは限らない。暑い寒いは人の決めること、飲み物があるかどうか、季節の変わり目で身体が順応しているかどうか、といったそういう環境がモノを言うことも多い。そういえばフランスにいる間一番「寒い」と思った日は真冬ではなく11月であった。
先に書いたように自分は熱中症になった記憶はないが、元々寒がりなのと、常に荷物が多く季節に関係なく水を持ち運んでいるのが良いのかもしれない。暑い中出歩くことをあまり厭わないと思う(こういうことを言うやつこそ危ない)。とはいえ油断は禁物なようで。先日とある場所に予定の時間よりに早くつきそうだったので、途中の駅で下車して2,30分ほど歩いてみたのだがさすがに暑さに疲れて身体も日に焼けた。
皆さんもどうかご自愛ください