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Vol.285
2025 07/13 Sun.
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Je pense, donc je me promène.

ある付き合いの長いピアニストとの話。彼はスポーツにほとんど興味もないし(オリンピックも大谷翔平も知らないくらい)、運動も好きではない。でも「やりたくてやっているわけじゃないよ」と言いながら、ほぼ毎日走っているという。体型維持、と思いきやそうでもないらしく、飲食は全く節制していないとのこと。

 

 

人間が健康的に過ごすには(生物として)その程度の運動が必要だから、ということだそうで。ある意味、野菜を食べる、夏には水分をとる、はやめに寝る、酒は飲み過ぎない、とかそんな話に近いのかもしれない。

 

 

自分はそんな話を聞いて「ほほお」くらいに思っていた。たしかに現代人は動かなくなりがちだよな、と。そんなわけで、ってわけでもないが、最近散歩の回数を増やすことにした。というか、時間さえあれば夕方に一時間くらい歩くようにしている。理由は単純、その方がよく眠れるから。最近寝つきは良いものの、途中で目覚める。色々と考え事をしてしまうので。

 

 

そんなわけで近所をひたすら歩く。なるべく知らない道を通ると色々発見もある。「この道があの道につながっていたのか」てなことから「前に誰かがほめていたパン屋はここか」なんてことまで。あと今住んでいる場所は生まれてから10歳頃まで住んでいた地域で、土地勘のある場所なもんで思い出すことも多い。適当に歩いてもなんとなく知っている道にでる。やはり子供の頃の距離や大きさがアテにならないことに驚く。広いと思った公園は小さいし、遠いと思った場所はやたら近い。

 

 

ある時に、なぜどの宗教も歩くのだろう、と思ったことがある。キリスト教の巡礼の旅があるし、仏教も歩く(ex 四国八十八ヶ所、三蔵法師, etc)。世界共通で、歩く行為は祈る行為に通じるのか?祈りは別にして、たしかに考えごとには向いている気もする。

 

 

コロナ禍で薬屋とホームセンターぐらいしか開いてなかった時期があったが、とあるホームセンターが驚くほど混んでいる、という話を聞いた。店のまわりを車が並び大渋滞、それが他の交通にも影響して警察まで出てきたとか。もちろん元気あふれる小さい子を家で扱うのが大変だとか様々な理由があったんだろうけど、やはり皆外に行きたいんだな、と思った。パスカルの有名な言葉で「人は一つの部屋でじっとしていられないことから不幸が始まる」というのがあるけど、人は悩みや気の重さから、外に出ざるを得なくなるのかもしれない。

 

「我思う故に我歩く」なのか「我歩く故に我思う」なのか。どっちでもいいけどまた散歩しよう。

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Vol.284
2025 06/22 Sun.
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三人のフランス人と一人の日本人

今年の春くらいから、とあるフランス人とのやりとりが始まった。何も言わずに彼の好きなジャズマヌーシュの演奏動画を送ってくる。「お久しぶり、お元気ですか?」とか「このギタリスト、おれも好きですよ」とか返しても返事はない。10日に1回くらいのペースで動画を送ってくる。自分もグッドマークをかえしたり、お気に入りの動画を送ったりする。なんとも不思議なやりとりだ。不思議といえば彼は88歳。どう知り合ったのか、説明すると少し長くなる。

 

 

かつて自分が20代になった頃に知り合ったフランス人がいた。彼は自分より20歳近く年上で、たまに彼が観光で日本にくると会うというパターンが続いた。ただし自分はフランス語もまともに話せず英語で話していた(彼はフランス人にしては、というと嫌味だが、英語が堪能だった)。パリに留学を決めた頃に彼に相談すると色々とアドバイスをしてくれたし、アパートが決まるまで彼の家に居候させてもらった。パリの区立の音楽院のコントラバスの師匠を紹介してくれたのも彼だし、ジャズが好きでちょくちょく一緒にコンサートにいったりご飯を食べたりした。日本の友人がディープインパクトを見に凱旋門賞にくる、と話すと「ロンシャン競馬場は駅から遠いから、おれが車出してやるよ!」と日本からの友人共々つれていってくれて、みんなで馬券を買ったりした。

 

 

週に3回くらい会うと思ったら、1ヶ月くらいあわないこともあった。仕事が忙しい時もあっただろうし、時々精神的に不安定になっていたので、こちらから無理には誘わないし都合があえば会った。元気なときは「これでこの人、朝から晩まで働いてるんだよな」と思うほどだった。

 

 

ある日彼に「両親が来ていて、ご飯あまりそうだし一緒に食べに来ないか?」と言われた。父上はランボーなどフランス詩を専門とする大学教授、母上は理科系の高校教師だった。さすがにフランス語にも自信がついていた頃で、文学の話もできて楽しく過ごせた(だから彼も声をかけたんだと思う)。

 

 

彼の父上が冒頭の動画を送ってきた人である。ね、長い話でしょ。自分の帰国後は彼が来日する度に会ったし、日本に両親を連れて旅行に来て、麻布あたりで食事をしたこともあった。

 

 

ある時、友人である彼の訃報をうける。その数年後、フランスに行くので彼の墓参りをしたいと伝えた。墓は彼の実家近くにあるとのことで、彼の両親、とりわけ父上と連絡をとった。「パリに日帰りするのは(電車の本数が少なくて)無理だろうから、うちに泊まりなさい」と言われた。駅につくと二人で迎えにきてくれた。彼の墓参りをしたあと、三人でずっと話した。息子のこと、日本やフランスの歴史や文化などなど。次の日にパリに戻る際にも駅まで送ってくれて、彼のお母さんが電車の中で食べて、と手作りのサンドイッチを渡してくれた。

 

 

息子の友人とフランス人夫婦との不思議な一夜。数回しか会ったことのない日本人の青年(当時)を泊めてくれるなんて実に優しくてありがたいけど、彼らはどういう感覚だったんだろう、とたまに思いだした。おとぎ話みたいだ。その後、帰国してからお礼をこめて自分の参加したCDを送り、「またゆっくり遊びにおいで」とのメッセージをもらった。それからSNS上でなんとなくお互いの活動を見ているようだった。昨年、お母さんが亡くなったことを知った。残されたお父さんは一人で大変だろうな、とたまに思いだしていたら、冒頭の動画のやりとりが始まった。

 

 

しかしそれがこの6月に入ってから途絶え、身内の方から彼が亡くなったことを聞いた。息子をなくし、妻をなくし、あの家で一人過ごすのはどういう日々だったのだろう。新しいCDが完成したら、またフランスにいったら、と思っていたが、全てはもう遅い。It's too late, c'est trop tardというやつである。

 

 

その知らせを受けた日、いなくなった三人を殊に強く思いながら過ごした。実家に泊まらせてもらった時「君はチーズ好きだったよね。今夜はフォンデュだ」と目の前で作ってくれたことを思い出した。白ワインをなみなみと注ぎチーズを溶かしていく。最初の一口を食べると、まだチーズにワインがたっぷり残っている感覚が印象的だった。

 

その夜、普段は演奏が終わった後にせいぜいビールかハイボールを一杯飲むだけの自分が、演奏の合間に「白ワインありますか?」と聞いたもんで、お店の方に驚かれた。

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Vol.283
2025 06/08 Sun.
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If this isn't nice, I don't know what is

先日また1つ歳をとった。お祝いのメッセージをくれた方々、ありがとうございました。他の皆様、ただ日付がかわっただけで、とうに過ぎた話。どうかお気になさらず。

 

 

誕生日を迎えてしばらく経った頃、自分の駐車場の後ろに紫陽花が咲き始めたことに気づいた。自分は青いやつが好きでこの季節になると、そこにたくさん並ぶ。もう少し近づいて見ようと思い、1メートルくらいの段差に片脚をかけてよいしょっと登ろうとすると、ぐらっと揺れて落ちて転んだ。一応とっさに手は守ったので腕と膝を擦りむいたくらいですんだけれど、それを後ろから見ていた隣人の「大丈夫ですか?」という声が聞こえた。「大丈夫ですよ、ハハ」と言いながら逃げるように車を出した。恥ずかしい、痛い、情けない。

 

 

若い頃も転んで怪我くらいはしたことあるけど、ここ最近で最も老いを感じた。しかし演奏やらに支障のある怪我にならなくてよかった。運がいいとは思わないが、悪運ってやつである。車がパンクしてもすぐ近くで修理できたり、バッテリーがあがってもその日だけは車を使わずになんとかなったり。(今年の上半期だけでこのトラブルの数。どうなってるのよ、とは思うけど)

 

 

ともあれ、自分は悪運が強いと思う。予想外のトラブルにアタフタするけど「ま、最終的にはなんとかなるだろ」てなもんで。昔話だが高校受験の際に1つだけ五分くらい(行きたいわけでもなかったが、塾から受けるように言われた)、他は合格見込みだったのに、4つ受けて3つ、一次試験で落ちていた。唯一受かっていた第一志望の二次試験の結果を待ちながら、地元の公立高校の受験までした。第一志望のところの手応えはあまりよくなかったから、その試験の昼休みに「ここの高校に通ってもいいかもな、意外と楽しいかも」なんて一人で窓から校庭を眺めたのを覚えている。帰宅したら第一志望のとこに受かっていたと知らせを受けた。良かった、嬉しい。しかしあの昼休みの感慨はなんだったのか。

 

 

そういう例が山ほど思い出されるもんで、何かと「なんとかなるだろ」と妙な油断、慢心のような楽観がある。良いことか悪いことかよくわからない。端から見たら不運、不幸なのに昔のことで勝手に忘れているだけかもしれないし、そのうち痛い目にあうのかもしれない。もしくはただ呑気なだけか。

 

 

数日前、時間があったからすごく早めに家を出て、ライブ前に(楽器はお店のものを使えるので身軽に)上野公園をぐるっと歩いた。いい天気で、まだ暑すぎず散歩するなら今だ、と思ったから。それこそ紫陽花やら他の花も多く、観光客らしい外国人もたくさんいた。途中で珈琲を買い、日陰のベンチに座って池を眺めて過ごした。If this isn't nice, I don't know what is、というヴォネガットの言葉を思い出す。理想ややりたいことがないわけではないし、良いことばかり起きているとは思わないけど、意外と恵まれている方じゃないの。そう思った。

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Vol.282
2025 05/29 Thu.
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Xと寝る前のスマホの話

最近X(旧Twitter)をやめた。やってたの?とも言われるかもしれない。やっていたんです。ただし匿名で、知り合いはフォローせず、野球と相撲の情報に特化するアカウントで。

 

 

今年からプロ野球の試合中に動画や写真をSNS上にアップすることが禁じられた。今までは試合をみられない時でも大事な場面「バウアーがまたまたソードセレブレーション!」とか「宮﨑敏郎の逆転タイムリー!」という映像をX上で見られたのが、今は試合後にしか見られない。相撲にしてもNHKのサイトでいくらでも見られる。とある(よくあるけど)ベイスターズの不調な試合が続いた時期に「こんなの開いて得することないや」とログアウトした。パスワードも覚えていないし、もう入り方もわからない。

 

 

そうしてもう1ヶ月以上は経つが困ることはなく、快適に過ごせている。くだらないニュースが入ってこないのが大きい。例えば俳優Aが不倫していた、とニュースがあったとする。自分は知る気がなくともフォローしているベイスターズファン、あるいは相撲ファンが「まさかAが不倫してるとは」とか「AはCMたくさんでてるけど、どうなるんだ」とか書いたら、自動的にそんなことを知るはめになる。

 

 

はっきり言って全てに興味がない。A、Aの家族、不倫相手、CMの本数のいずれにも。当たり前だけど自分と関係ないし、友人でもないからね。仮に友人だったとしても、当人の関係性の話なんだから、誰が悪いとか断罪する気もないし感想も特にない。倫理観おかしいですかね?

 

 

といっても、自分が俗世間から離れた達観した人間ってわけでもなくて、例えば横浜のエースに関してそんなニュースがあったら「えーっ」とか反応する。(東が本当になったんだよな、今年)問題は興味あるか、ないかという話。Xに関わらずとも、多少は目に入るけども。

 

 

そんなわけでアカウントがないもんで、X上のものは基本的には見られなくなった。たとえ名指しで褒められていても、文句言われていても読めないし、見られない。考えてみたら元々見ていないし別に気にならないけど、良い意味でバズることがあったら、誰かそっと教えてください。あれば

 

 

ついでに最近、寝る前には無条件でスマホから離れることにした。今まで未明頃に仕事の連絡がくることもあって(皆さんそういう仕事だから仕方ない)、手元に置いておくことが多かったけど、誰かとやりとりの最中でも何でも寝ると決めたら食卓に置いて起きるまで触れない。よく言われるように、寝つきがすごくよくなった。かなりの早起きや緊急を要する連絡等、特別な時にはまた事情がかわるけど、寝つきに悩んでる方がいたらオススメします。

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Vol.281
2025 05/28 Wed.
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Rhythm futur&Troublant boléro/ Pas de Djeux

Rhythm futur&Troublant boléroの二曲、Pas de Djeuxの動画もあがりました。

 

 

二曲ともDjango Reinhardtの作品で、先日のGypsy jazz festival in Osakaに出演したときのものです。「ギタリストとしての評価が先立つけど、ジャンゴって作曲も編曲もすごいよね」というのが、ギターレスでやっているPas de Djeuxというユニットの面白味の1つであると(私は)思っていて、どちらの曲もジャンゴらしくて大好きです。ぜひご覧ください!

 

https://youtu.be/8M4IbMxp5Ag?si=n3bcF5mROBQQcjd3

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