不意に訪れた、ありふれた休日
先日「そろそろ準備するか」なんて頃、ちょうど数時間後に会う予定だった人から連絡がきた。なんとその日の仕事はキャンセル。事務所の手違いによるものでギャラはすぐに振り込まれるという。今までもキャンセルなんて山ほどあったけど当日というのは初めてだった。電話を切った後に妙に高揚する気分を味わう。そうか、これが有給休暇というものか。ただの休みよりずっと嬉しい。しかも予想外のものは格別である。
久々の人と偶然会うとか思いがけぬものをいただけるとか、予想外の良いことは特に嬉しい。逆に16時まで、と言われているのに17時まで仕事が延びたりすると、通常の1時間以上に疲れる気がする。5キロ走る予定で6キロ走ってもガソリンの減り方は同じなのに、人間はそうはいかない。やはり人は脳の生き物であるらしい。
話は変わって、友人から聞いた話。SEIKOがメトロノーム付の腕時計を出していて、とある有名ブランドがその腕時計とコラボして「~月発売予定」とだけ記していたらしい。とある祝日に予告もなく販売開始すると当日の数時間で完売。売り切れた直後から通常の何倍もの値段で転売が横行しているようだ。なんでたくさん作らないのか不思議なんだけど、どうもそれもブランディングの方法らしい。需要に決して達さない程度の供給に抑えて、欲しい人がたくさん残ること自体がそのブランドの価値も高めるし、買えなかった人は余計にそれを求める。そうやって意識されたものはより輝いて見えるはずで、高級ブランドなんかもそういうものだろう。
渇望という言葉の通り、枯渇しているからこそ欲求は強くなる。今も昔も「新作発売」なんて話が出ると、まだ全貌が見えない時にこそやたらチェックしたり、様々な想像を巡らせたりする。そんな想像を巡らせている時が一番充実していたりもする(手に入ると、すっと熱が冷めたりするものだ)。あるいは連休なったらあれやこれをしたい、なんかもそんなものかもしれない。いざ待ちわびた連休になってやってみたらパッとしない、とかね。
そういえば、ふいに訪れた休みの話。今までにないウキウキとした気分を味わったものの、結局は練習をして、日が落ちてきたら近所を散歩して、夜に(良くも悪くもない)映画を一本見ただけの一日であった。時間できたらあれを、などと人並に思っていたはずなのに、何をやろうと考えていたかも思い出せない。せっかくの休日であったが、結局ありふれた一日になったのであった。個人的には充分満足しているけど。
そういえばG.Wのようで。休むも遊ぶも、皆様良い休日を。休みもなく多忙な方にもできれば(予想外の)ささやかな幸運が訪れんことを。









