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阿部恭平の
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Vol.092
2019 06/18 Tue.
カテゴリー:

エリセとグラナドス

先日、早稲田松竹にビクトル・エリセという監督の二本立てを見に行ってきた。二本立て、といってもこの監督は寡作なもので今まで公開されたのが10分の短編を含めて四作程度、そのなかから二作といえばいつも「ミツバチのささやき」「エル・スール」になるのだが。
久々に見たが、何度見ても発見のある大好きな作品である。「ミツバチのささやき」の曲が実に美しい七拍子であったり、「エル・スール」はグラナドスという作曲家のピアノ曲「スペイン舞曲五番」が効果的に用いられていた。そのグラナドスを調べてみるとなかなか面白い経歴の持ち主だった。作曲の師はおらず独学。民族音楽的にするために民謡を用いる作曲家が多い中、彼は用いずにスペインの土地を感じさせる曲を書いたようだ。
50歳前後で亡くなっているがそれも実に痛ましい。演奏旅行でアメリカから帰国する際にドイツ軍艦の砲撃にあう。救命ボートになんとか乗るも自分の奥さんは波にのまれてしまっており、寸前で海に飛び込み奥さんのもとへ向かう。二人はそのまま海に消えていく。
それこそ映画のように悲しい話であるが、こうしてスペインの誇る作曲家、ピアニストは命を失った。
なお話は戻るが、エリセの二作品はどちらも家族の物語なのだが、家庭内の描写として調律の狂ったピアノの響きを使う。確かに狂ったピアノを調整していく響きは独特なものであり、日常と不安を感じさせる描写につながっている。

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