期待の裏返しと失望の裏返し
先日お気に入りのベーシストとピアニストがCDを作ったとの情報を得た。しかも内容はBill Evansの曲を中心に据えていると言う。発売日を楽しみに待っていざ聞いてみると、、どうもいけない。何曲かを繰り返し聞いてみたものの演奏もアレンジもピンと来ない。「これなら本物のエバンス聞いてればいいな」としか思わなかった。
考えてみたらピアニストはもう70代半ばを越えている。単純に衰えというものもあるかもしれないし、そんなことは関係ないかもしれない。また各々の作品はそれなりに好きであることを考えると、デュオという形態でなくどちらかが明確に主導権をとるべきだったのかもしれない。これはよくある話だ。明らかな遠慮や譲歩というような人間関係の要素を抜きにして、同じメンバーで同じ曲をやっても、誰がリーダーであるかによって演奏は別物になる。やはり人間の所業なのだなあ、と思う。
とにかく残念なことに、私の期待に沿うものではなかったということになる。少なくとも今のところは。もしかしたら私が勝手に期待しすぎたのかもしれない。
逆に評価が裏返るものもある、先日手にしたエラ・フィッツジェラルドのクリスマスアルバム。クリスマスソングが好きなもので毎年のように新たな音源を手にしているが、今年はこれになった。元々彼女の歌についてはどうも「お上手さ」が先に聞こえてしまう気がしていたが、改めて聞くと心地よく聞けた。ビックバンドを含めアレンジも見事。「ジングルベル」のような童謡やFrosty the snowmanのような曲も彼女にしか表現できないような世界観であった。
にしても、そろそろスケジュールを書こうかなと思ってきた頃に、またもや世の中は不安定になってきた。引き続き予定は書かぬままで。あしからず