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阿部恭平の
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Vol.181
2022 01/05 Wed.
カテゴリー:

2022年の初ボヤキ

2022年になっている。正月に家族と会って出た話題から。

昨年の大河ドラマが渋沢栄一で、時々見ていた。最後の方は(渋沢栄一が長生き過ぎたからか)ちょっとダラダラとしたが、維新志士ではなく徳川慶喜側の方の視点から描いたのは新鮮にも感じた。明治維新という言葉の通り、時代の主役は維新志士であるのだから。ただし彼らを英雄化したのは言うまでもなく明治政府の思惑もある。そりゃそうだ、「将軍(様)を追い出した連中」というレッテルを張られたまま政治を行うことはできない。大河ドラマに限らないんだろうが、維新志士達が「日本のために」「日本を作る」と連呼するのも明らかに作られたものだろう。江戸時代の人間、特に鎖国していたころの人間に「日本」という認識は薄い。なぜなら外国という概念自体がないのだから。

歴史というのは結局作られるものってことだね。たしか以前に黒沢明の「影武者」を観た時に思ったけれど、武田信玄が最高の戦国武将の一人として数えられるのも江戸時代に作られた史観によるものである気がしている。なにせ徳川家康が完敗したのが武田信玄。若い頃数えきれないほど戦に負けていて、父親を追放して嫡男に自害を命じ、側室の子である次男には自分の「信」の字を与えずなぜか孫に与えて家臣たちの不和を作り出した、なんて事実よりも、「天下の徳川でも敗れた、おそるべき武田氏」という図を作っておいた方が面子を保ちやすい。ま、こういうのも私の穿った史観なんだろうな。

思えば「日本の侍」と聞いたら坂本龍馬とか西郷隆盛が挙げられるのかもしれないけれど、言ってみれば維新志士達は侍社会を壊した側だ。侍という言葉も不思議なもので、なにかと使われるね。それこそ「ショパン・コンクールから輝いた侍ピアニスト!」とかそんなふうに。世界で結果を出した人(達)をそう表現することが多いね、侍ジャパンだの。私ははっきり言って「彼こそ侍だ!」みたいな表現は好きじゃないですね。子供が言う分には構わないけど、なんだか幼稚なダンディズムというか、聞いていても恥ずかしくなる。侍ジャパン、とかもどうかならないものか。日本代表でいいじゃないの。

ある程度外国にも知られている言葉なんだろうけど、海外の人達がその言葉にどのようなイメージを持っているかも興味深い。そういえばたしかSerge Gainsbourgの歌で「中国の女」みたいな題名の曲があったはずだが、歌詞にSamouraiと出てきた気がする。なぜかHarakiriも出てくるけどね。作詞者は中国と日本の区別もついていなかったのだろうか。我々もヨーロッパの細かい差異を理解してないことも多々あるし、仕方あるまい。

(付記:一応調べてみたらやっぱりありました。上記の二つだけでなくKimonoまで出てきている。うーむ。https://genius.com/Serge-gainsbourg-les-femmes-cest-du-chinois-lyrics)

 

新年早々、ボヤキというか説教じみた文になったけれど、まあこんな調子で時間ある時は何かしら書いていくのでこちらの方もご贔屓のほどを。つい先週に2021年の締めとして挨拶したばかりだけど、今年もよろしくお願いします。

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