写真嫌い
今さら、と思われるかもしれませんが、写真が苦手です。撮るのも下手だし、撮られるのも下手です。大学の頃に映画に熱中したときにネストール・アルメンドロスやスヴェン・ニクヴェストといったカメラマンに興味を持ち、「やはり映画の質ってカメラによってかなり左右されるよな」などと感心し、自分でもカメラを持って街並を撮ってみようと歩いたこともあります。ただ長続きしない趣味でした。ふと思いついたものを取るだけで構図や光の具合などを気にしたりしなかったもので、全て下手くそ。ぶれているし、逆光もしょっちゅう。ということで、平成の木村伊兵衛になる夢は3日もしないうちにやぶれました。
では撮られる方は、というとこれまたいけない。今でもご存知の方はいるかもしれませんが、しょっちゅう半目閉じになっていたり、どこを見ているかわからなかったり。そもそも笑うことができないので。思えば幼稚園の卒園写真のときからカメラマンの人に「はーい、にっこり笑って」とか言われて「笑えません」というやり取りのなか撮影しましたね。決して笑顔とは言えない写真が残っているはずです。演奏直後の写真だとたいていの場合、疲れているのか気が張っているのか、どうも不機嫌というかボーっとしているというか、そういう表情をしていることが多いですね。ライブがつまらないのか、とか言われたこともあります。そういうつもりはないんですが。いずれにせよ撮られる、使われる写真の質には一切こだわらなくなりました。どれだけ変な顔していてもどうせ自分なんで。
やはり写真は不意に撮られるに限りますね。撮るまでの準備に時間をかければかけるほど不自然になっていくような気がします。そういえば写真を撮るときも同じですね。準備をかけたくないがゆえにパパっと撮るし、加工(って最近できるんですよね、携帯電話とかでも)も一切しないし、興味もないです。昨今、私も含めてですが、写真がどんどん安くなりましたね。下手をすれば、実際の目で見ることよりも写真を撮って満足している人も実に多い。と、この手の話を厭世的に書き続ければ長くなるので割愛しますか。
さて長々写真に文句を言ってきましたが、写真を見ること自体は嫌いではないです。ま、人物よりは風景や静物が好きですね。恣意的な、いわゆる現代美術的なものにも興味はありません。このへんの趣味は絵画と全く同じかもしれません。