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Kyohei
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阿部恭平の
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Vol.010
2016 05/30 Mon.
カテゴリー:

五月末ですね

もう五月末ですね。先週末は予定には書いておりませんでしたが、二日連続でギターの河野文彦君とデュオでした。彼とも付き合いは結構長いのですが2人だけでのライブというのは初めてくらいかも。どうもジャズ系のデュオでのライブというと、その場で曲を決めたり進行もその場で決めたりすることが多いのですが(というのは二人きりなんでそういうことも大人数でやるよりはその場で調整しやすいからなんです。そういう緩さや即興性も決して独特で嫌いではないです)、今回はアレンジ含め色々と前もってきちんと決められたもので、なかなかやりがいのある面白いものでした。その会場となった銀座のパイオニアプラザの地下では好きなCDを最高級の音質で聞かせてもらい、それまで気づかなかった音量のバランスや音のニュアンスに気づいて喜んだり、楽しい体験もすることができました。

話は飛んで、先日石巻市から帰ってくるときにバド・パウエル(以下、バド)を聞いたと書きましたが、引き続き最近は彼の音源をよく聞いてます。20代半ば頃からバドの音楽を好んで聞いてまして、The fruit、Hallucination、Tempus Fugitなどなど好きな曲もたくさんありますが、他の人がそう言った曲を弾いてもどうしても違って聞こえてしまうもので。注意深く聞いてみたら細かい経過音や装飾音みたいなものがそこら中に使われているんですね、本当譜面にできるかどうかわからないくらい絶妙なレベルで。それで「あー、こういう装飾音を細かく用いるのがバドの個性なんだろうなあ」などと思っていたものでしたが、同じくバドを好むピアノ奏者から言わせれば「経過音や装飾音というよりも明らかなミス」めいたものもたくさんあるようです。つまり私がすごいと思っていた個性とは、実はバドさん本人にとってはただのミスだった、ということも大いにあるようで。いやはや。人間、どうしても思い込みや固定概念みたいなものからは離れられないものですなあ。

ただこの話を聞いてジミ・ヘンドリックス(以下、ジミヘン)を思い出しました。彼のギター奏法もエレキギターにしては珍しく、あえてノイズをおさえないのが特徴なのですね。一般的にはエレキギターは音量が大きすぎることもあり、弾くつもりのない弦まで勝手に共鳴して音を発してしまうので、それを鳴らさないようにして弾くのが基本なのですが、ジミヘンは堂々と(?)他の弦が共鳴するのをそのままにして弾く。それがまた独特の音色やニュアンスを生んでおり、多くの人がジミヘンのギターに憧れるけど、どれだけ上手な人が真似しようとしても決して同じようにはならない。

「欠点というか常識とは違う道を突き詰めると個性になるのだなあ、特に芸術の分野では」などと誰でも思いつきそうなことを、先日再度思わされました。

 

閑話休題。明日は手島大輔Trio invite 小寺良太の新アルバムBonne nuitの発売記念ライブです。まだCD自体は目にしていないのですが、猫の絵が書いてあるという噂も。もうあと24時間以内の話ですが、興味のある方はぜひどうぞ!

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