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Vol.060
2018 04/06 Fri.
カテゴリー:

Phillippe Sollers Picasso, le héros 1

ソレルスの「ピカソ、ザ・ヒーロー」を読む。と言ってもソレルスみたいに難しいものは原書では読めないので、五十嵐賢一氏の訳によるもので。ちょっと長くなるので以下、箇条書き。

1 ピカソ

ピカソは誰もが知る芸術家だが、作品以上に人物として興味を持たれる存在だろう。私もそうだけれどピカソの作品で好きってものは特になくて、あのエネルギーにこそ興味を持った時期があった。初期からゲルニカ、晩年に至るまで同じ画家とは思えないほどの革新を重ねたスタイル。そして当時は批判の嵐であったであろうキュビスムの確立には敬意を払わざるを得ない。

ただし、個人的には妙な胡散臭さみたいなものを感じることもある。本人のせいではないのだろうが、ピカソという名前の強さだ。前衛と呼ばれるものにはついてまわる話だが、作者名を言われなければ興味持たないのに「ピカソによって描かれた」と知ると、人々はその絵をしげしげと見つめたりする。些細な部分にも意味があるかのように思い込む。各々の美的価値観ではなく、ピカソという名前の持つ神話性に感性が支配されてしまうというわけだ。これは芸術に限らずブランドでも何にでも存在することだけど。つまらない俳句が芭蕉の作品と聞けばありがたい句に感じたり、目を閉じて聞いたらわからないけど、ストラディヴァリウスと言われると妙に味わい深く聞いたり、聞こえたり。しかしそういった俗っぽさや先入観こそが人間らしさなのかもしれないけれど。

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