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阿部恭平の
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Vol.074
2018 06/07 Thu.
カテゴリー:

チャボロと私2

やがて年が明けて、2月くらいにチャボロはストラスブールに戻ったという噂を聞いた。あまり彼と会わなくなったけれどその年の3月にManouche Factoryというイベントで演奏する予定もあったし、それほど寂しくもなかった。その話をもらった秋頃は「チャボロのバンドの一員として参加できるなんて、アジア人初じゃないか?」とか勝手にすごく舞い上がっていたけれど、前回に記したようにしょっちゅう会っていたおかげでほとんど緊張もなくなっていた。
3月のその日を迎え、久々に会ったチャボロは「やあ、君もチャボロドリンク(ウォッカ+オレンジジュース)を飲むかい?」とかニコニコしていた。賄いをサミー、ダヴィドと3人でがっついて食べているときも、チャボロはほとんど食べずにチャボロドリンクばかり飲んでいた。さて実際の演奏だが、今まではPAを通すような大きな会場でやってなかったこともあったが、それまでで1番と言って良いほど素晴らしかった。これがチャボロの音楽なんだなあ、と一緒に演奏できたことを心から光栄に思えた。実は当時同年代の若手のフランス人ミュージシャンとセッションする方を刺激的に感じていたけれど全てがふっとんだ。こんな素晴らしい演奏になぜ気づけなかったのか、自分の愚かさを悔いるほど感動した。チャボロにとにかく感動したことを伝えて「またね!」と別れて、また会うつもりだったが結局6月に帰国するまで彼と会うことは2度となかった。
不遜な言い方なのかもしれないが、今にして思うとその年の10月から3月までの間はチャボロによる壮大なレッスンだったような気もしている。もちろん思い込みなのだが、そう感じるくらい3月の演奏には感動したのであった。他のミュージシャンと比べてフランス語もそれほど得意じゃないし(フランス人が言うのだから間違いない)、私もフランス語下手だったろうし長く会話するようなことはなかったが、チャボロの音楽に飽きるほど触れることができたのは本当に恵まれていたと思う。
と、ここで縁が切れたような書き方になったが、それから彼が来日した時は会っているし、4年前パリに行ったときもサミーに彼らのコンサートに招待してもらったり、ちょこちょこと一緒に演奏もしている。相変わらずチャボロドリンクを飲み、タバコを吸い、ご機嫌にギターを弾く。最後に話した時はパリ付近で過ごすことが多くなったのかフランス語も少し流暢になっていた。演奏は言うまでもなく、いつも唯一無二のチャボロの世界を作り出す。
来月に彼が久々に来日するという。サミーがいないのは残念だけど、ベースのクロディウス、ボーカルのマリアはその4年前にフランスでも演奏していた。そしてチャボロが参加する7/7のイベントには私も関わっているTokyo Django Collectiveも出演することになって必然的に会えることになった。
ちょうど一月前の壮大なステマのようになってしまっているが、久々に彼と会い、音楽を聞けるのをとても楽しみにしている。

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