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阿部恭平の
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Vol.112
2020 03/09 Mon.
カテゴリー:

莫春者春服既成、有朋自遠方来 不亦楽

暮春には春服既に成り、ということで先日触れたタンパベイ・レイズのキャップを購入。気分も少しは晴れるものである。

週末、思わぬ誘いから久々の人と会うことになる。定期的に都内に来ている演奏家であるが、今回はたまたま我が家からそれほど離れてないところに滞在しているとのこと。すっかり空いた時間だったこともあり、お互いの近況やら最近の関心などを話す。
今回は劇の伴奏で来ていて、何百ページにもおよぶ譜面に先月から取り組んでいるらしく、三月終盤に向けて連日開演予定という。オペラやミュージカルの要素は含まれているのはもちろん、曲の中で相当高度な技術を問われるのに時には存在してないかのようなアレンジでもあるという。なんと次の日が公開ゲネプロとのことで、興味を持ったので見させてもらった。考えてみると久々の観劇だったし、音楽ともに楽しめた。こういった機会に普段会えない人に会ったり、あまり接することがないものに触れられたのは幸運だったかもしれない。劇団関係者皆さんも、どうか千秋楽まで元気で充実した日々を。

さて、暮春には既に春服、という論語のエピソード。石川淳の随筆を通じて知った話である。孔子が若者達に夢を問うと、彼らは大いに夢を語る。「政治家になって人々の暮らしを良くしたい」「勉強して学者になり、もっと良い国を作りたい」などなど。最後の若者は「私は他の皆さんとは全く違うのですが」と恥じらいながら「春の終わりに新しい服を着て、水辺で友達と遊び、歌でも歌って過ごしたい」みたいなことを述べる。すると孔子は穏やかに「私もお前と同じだな」と言う。
論語は荻生徂徠を始め、様々な解釈があるし、一つの話にも色々な説がつく。よって私の解釈が正しいかわからない。大きな夢を抱く若者も立派。しかし個人的には最後の若者のまず身近なことに向き合う姿勢も好きだし、彼の挙げたありきたりの風景にこそ人々の平和や国の良さが現れているような気もしている。
ありきたりの風景、ささやかな日常を願って、暮春、既に春服。

P.S
ところで帽子を購入してからレイズの筒香の快音が聞こえなくなってきた模様。でも信じてるぞ、筒香。

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