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阿部恭平の
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Vol.117
2020 04/14 Tue.
カテゴリー:

ユリシーズ考 1

暇なんで「ユリシーズ」について思うこと。おそらくそれを読んでいた頃の自分が今の自我を形成しているとも思うので。
卒論が「ユリシーズ」だった、という話をすると文学に詳しい人からは(そもそも文学に関心ある人としかそんな話にはならないけど)「すごいのやったねー」などと感心される。
「ユリシーズ」は難解な書物の代表のように取り上げられる。難解でない、とは言わない。ただ私の手前味噌が過ぎるのかもしれないが、他の小説、書物と比較して難易度を問う類いのものでもない。比較できるとしたらせいぜい長さだろう。14章や18章など特別なものはともかく、3章を除く前半や13章などは大騒ぎするほど難しくはない。
そもそも「ユリシーズ」が長編といわれるが、個人的には18の章からなる壮大な短編連作集のような気もしている。そう思えば文体が変わるのも視点がかわるのも理解しやすい。元々短編集の「ダブリンの市民」に入る予定だったという話もある。
あらゆる方角から語られる作品だが、あらすじ自体は決して特別なものではない。「母親が亡くなる前に彼女のために祈ってやれなかった青年が色々悩みながらダブリンをフラフラして終盤には危険な目にあう。それを救うのがスケベで平凡なおじさんなんだけど、彼は彼で奥さんが家で愛人と会っているのを知ってるから朝から街中をフラフラと一日過ごす。その奥さんは色男に弱いタイプだけど眠りに落ちる頃に夫と初めてデートした時のことを思い出して不倫相手と縁を切ろうと思う話」おおまかなものだが、決して難しくはない展開だ。何でもそうであろうが「ユリシーズ」に、またはジョイスに触れるときは「難解」という固定観念を取り除いた方が楽しいと思う。(そもそも私は難解さをありがたがる風潮に興味を持てない)

長くなったのでこのへんで。また暇なときに。

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