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Kyohei
Abe
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阿部恭平の
ブログ

Vol.126
2020 06/03 Wed.
カテゴリー:

アメリカの事件で思い出したこと

フランスで暮らし始めた頃、とにかくイライラしてた。電気ガス水道、携帯電話、ネット環境などの契約も言葉は通じないし、向こうが何言ってるかもわからない。英語わかる人呼んで必死に喋るばかり。受け取らなきゃいけない郵便物も集合ポストの宛名を何度も剥がす愉快犯のせいで届かず、わざわざ郵便局に取りに行く。40分くらい並ぶのはザラで一時間以上かかることも。
そんな中、区立の音楽院の受講料とか調べたいもので地図を見ながら音楽院まで行く。パリの地図見るのも慣れておらず、迷いまくってやっとついたら「バカンスのため秋まで閉じてます」の張り紙。ますます不機嫌になって近くの公園を歩いてたら「元気?」とホームレスっぽい背の高いおじさんが声かけてくる。イライラと「いや」と返す。一応(どこかで習った通り)「あなたは?」と聞くと「ご機嫌だよ」と。私の言語能力を汲み取ったか、すごくわかりやすくゆっくりと「空は綺麗でパリは綺麗な街だからな、ご機嫌だよ」と語り、微笑んで去っていった。ごくたまーにだが、その時のおじさんはどうしてるかな、と思い出す。
1ヶ月ほど滞在したときの別の話。Boulou, Elios Ferre兄弟に招かれてManouche Factoryというイベントのクロージングアクトに参加した際、ある(ほぼ私と同世代の)ギタリストに絡まれた。その時に初対面だったが、なんで日本人がこんなところに来た、と言われ「ブールーとエリオスに誘われた」と答えると「彼らがお前みたいな日本人を誘うわけないだろ」と嘲笑う。やがてエリオスが来て私を歓迎してくれると、わかりやすいぐらいに彼の態度が豹変した。「よかったら参加してくれないか」と言われ一曲演奏。その後彼は退場し、ブールーとエリオスと私の三人で4、5曲ほど演奏した。終わった後ブールーとエリオスと談笑していたら私に「素晴らしいベースだった、いつか日本でも演奏したいね」などとニコニコしていた。私は二度と彼と関わりたくないと思ったし、今どうしてるかも知らないし興味もない。
前者のおじさんは黒人、後者のギタリストはジプシー、黄色人種である私と同じく被差別の立場だ。差別はなくならない、とよく言われる。それで「だから仕方ない」などと、現実を知っているような風を吹かすだけで済まそうとする姿勢こそ最も醜悪であることは歴史が証明している。
#Black Lives Matter

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