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阿部恭平の
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Vol.136
2020 10/20 Tue.
カテゴリー:

カツサンドと差異

先日大井町を通る用事があったので、せっかくならと好きなとんかつ屋に行きたくなった。ただし前後に予定があり、食事をできるような余裕はない。それならば、と以前から興味のあった持ち帰り用のカツサンドを購入することにした。前日から電話して予約し、用事が済んだら急いで帰宅。家でコーヒーを入れてから食事。非常に良い時間を過ごせた。
コロナ禍になってから飲食店のテイクアウトが増えたと聞く。お店での食事とテイクアウト、これはライブに対する録音物や配信との関係に似ているような気がした。味や音だけならば家でも同じ過程で作られる(はずの)ものを満喫できる。ただし空間が違う。空間が違うということは五感のうちの大半が違うことを意味する。店の熱気や背もたれやテーブルを触れる感覚、その周囲から発せられる香り、ふと視線をかえたときに見える何か、そういった要素が味覚や聴覚に与える影響は計り知れない。本質的、科学的には同じ物質、現象と見なされるのだろうが別物となる。

同じもの(であるはず)なのに別物、このような「差異」こそが意義や価値というものになるんだろう。環境の統一化というか均等化のうちにはこういった要素も生まれないし、大袈裟に言うと文化や個性も生まれない。細部にこそ神は宿る、と言われるが、環境にも宿っているのだろう。
そんなことを考えていたら、またあの店でとんかつを食べたくなってきた。白木のカウンター、手が空いた店長夫妻と客が雑談する声、古くさいテレビ、油の香りや白米の湯気。色々なものが少し懐かしい

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