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Kyohei
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阿部恭平の
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Vol.189
2022 03/30 Wed.
カテゴリー:

高慢と偏見?

「罪と罰」、たらたらと読んだもんで時間がかかった。高校生当時はわからなかったことがわかるのも新鮮だった。例えば当時は刑事コロンボを知らなかったけど、ポルフィーリイの振舞いを見るとコロンボにしか思えない。ラスコリーニコフが部屋に入ってくるなり「どうも、こんにちは。いやあ、私はタバコをやめられなくてねー」などとぼやく様子などはまさしくコロンボだ。(もしくは古畑か)ストーリーを知っているだけにただ楽しく、面白く読めた。
話はかわって、ずっと避け続けた映画「ひまわり」を先日観た。泣いてしまうんだろうなあ、と思っていたが、ちっとも。自分の知っていたあらすじと実際のストーリーがだいぶ違ったことが大きい。ウクライナで行方不明の恋人と出会い失意の帰国を果たした後、ヒロインが意外と新たな男とデートを楽しんでいるシーンがあるとは知らなかった。逆にウクライナ人の女性が夫に対し「あの女性ときちんと話したいでしょ、行ってきなさいよ」とイタリアに向かわせる優しさは印象に残った。
人は何らかの形で先入観を抱く。線の細そうな外見をした演奏家を見ると繊細な演奏を期待し、筋骨粒々とした人だと力強い演奏を期待したり。思えば「罪と罰」というタイトル、「ある資産家姉妹の死」なんていう娯楽小説みたいなものでも成立する。そして「ひまわり」も、今思えばあの曲と駅の場面の印象、そしてネオリアリズムで名を馳せた監督の印象から(私の中で勝手に)悲劇的なイメージが強くなっていたような気がする。先入観を取り除くことはどうせ出来ないけれど、何事も柔軟に寛大に構えた方が何かと不自由なさそうだ。
そういえば私はコントラバス奏者一人による演奏作品(クラシックの無伴奏作品を除く)で、それほど繰り返し聞いたものがなかったが、たまたまMarc Johnsonのソロ作品を耳にし、心地よかったので購入してみた。おそらく私がその手の作品を気に入らなかった理由というか偏見でもある「多重録音、形式のない冗長な即興」といった要素が極めて少ないこともあるのだろう、バラードからリズムのあるものまで聞きやすいもので繰り返し聞いている。そんなわけでソロ作品も聞いていってみようかと思う次第。

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