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Kyohei
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阿部恭平の
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Vol.199
2022 07/31 Sun.
カテゴリー:

俳句の思い出

図書館にいくと「絶対買わないような本」を見つけて一冊ぐらい借りている。一回読んだらおしまい、てなぐらいに軽く、一応自分の興味のあるもの。映画やら音楽のインタビューから「ぼやき」や「オレ流」で有名な元野球選手、元力士の本など。買って手元に置くほどの気合いはないが、立ち読みでは読めない。その程度の関心を満たすのにちょうどよい。
今回はたまたま俳句に関する本であった。どちらかというと漱石や鏡花など文人の俳句をとりあげていたが、小林一茶についてちょろっと書かれている。
自分は小学生のころになぜか俳句に興味を持った時期があり、当時一番好きだったのは一茶だった。まあ子供にもわかりやすいからね。「負けるな一茶ここにあり」とか「そこのけそこのけ(余り字)」なんてちょっとふざけてるのか、と思うほど。今の自分としても俳句といえば松尾芭蕉こそ、ということは知っていても、そこまで夢中にはなれない。素人なもんで、たかが17文字で芸術的だの深淵だのいわれてもね、他愛もない描写の方がしっくりくる。(そりゃ芭蕉さんにもそういうものあるけれど)
さて、その小林一茶、代表作に

めでたさも ちう位なり おらが春

という正月の句がある。ちう位=中くらい、ということで、「まずまず」「ほどほど」みたいな意味と思いきや、当時の信州の方言としては「いい加減」「並以下」といった、より悪い意味だったらしい。つまり「めでたさどころか、ひどい正月だけど、おれらしいもんだね」と。江戸言葉が主流の俳句に信州の言葉を用いたのが一茶の個性でもあるが、この「おらが」でさらに意味を裏付けているという中村真一郎の解説。なるほど。
私はますます一茶が好きになったね。家族や子供を思うような句も多いけど「よくもまあ」と思うほどの私生活だし、一筋縄ではいかない、とは元々思っていたけれど、いいじゃないですか、「ちう位」ってのも。
ちなみに他の句としては永井荷風の句が気に入った。見覚え(聞き覚え?)はあったが、浅草の芸者か誰か、女の子が初詣にいくのを待ち遠しくしている様子が好ましい。(年取ったもんだな、自分も)

下駄買うて 箪笥の上や 年の暮

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