気づかなかった筆記体より
今月初旬に本棚を購入し、本を並べた。本をかなり処分したときにも洋書だけは二度と手にできるかわからないし、とっておいたこともあり、思った以上に洋書が多かった。生きている間に全て読むのは不可能だろうな。
まあともあれ洋書だけの棚も作ったので、目につきやすい。目につくととりやすいもので、昔買ったソレルスの随筆でも読むかと開くと文字が書かれている。何度か目にしたことのある文字だったのだろうが、はっきりとsollersと筆記体に見えた。(私は筆記体を書けないし、読むのも苦手だ)改めて見るとton ami、君の友なる意味の言葉も読み取れる。これはソレルスが誰かに献本したものではなかろうか。しかし宛名の筆記体、ピエールのところしか私には読めない。
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そうおもってこの写真をインスタグラムにあげてみると、ある通りすがり(というのも滑稽だが)フランス人から教えてもらう。Pierre Andre Boutangという人物、調べてみるとドキュメンタリーの映像作家と。トリュフォーやメルヴィル、ウディアレンにオーソン・ウェルズなどの映画監督のドキュメンタリーを中心にサルトルなどのも撮っているらしい。少し見てみたい。
このピエール・アンドレ・ブトン(誰が書いたのか、、ネット上ではブータンと書かれていたが、どう考えてもブトンの方が発音は近い)氏、2008年に亡くなっており、私はその数年前にパリの古本屋で購入したことになる。晩年に手放したのだろうか。そして何よりソレルスの直筆を見ることになるとは。小説が大好きってことはないけど、随筆や評論など、なぜか昔から気になる作家の一人だ(ヌーヴォーロマンと呼ばれる作家には興味ないつもりなのにね)。彼も齢80をすでにこえて90近くになろうとしている。好きな人も嫌いな人も、いつかは皆いなくなる。私も手持ちの本を手放すときが来るんだろうな。
なんかの縁だろうから、ブトン氏の映像も探してみようかな。とその前にさっさと作りかけの曲を仕上げなくちゃな。