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Kyohei
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阿部恭平の
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Vol.202
2022 09/09 Fri.
カテゴリー:

水道橋に行く途中にて

野球の話から。実に楽しい8月であったが、最後の週で止めをさされた。首位攻防でまさかのサンタテ、万事休す。とはいえ春から比べればよくやってる。ギリギリでも二位に残れば充分。
しかし気になったのは横浜スタジアムの集客。同じ首位争いをしていた2019年なんて平日でもチケットをとるのにかなり前から予約しなくてはならなかったのに、今や平日はもちろん日によっては土日でも席は余っている。当日19:30からは千円台のチケットも売り出されているという。いやはや。コロナの影響としか考えられない。そしておそらく日本で一番の人気スポーツ、興行である野球でこれなら、音楽なんてどうなってしまうのだろう。
この数年の間「こんな時だからこそ、生の音楽を必要とする人達のために」みたいな文句を何度か聞いた。確かにそうだろう、自分も観客、あるいはイベントの主催の方々などから、そういった熱意を感じたこともある。ただしその「生の音楽」を開催するために集客のために執拗に声をかけたり、それをきっかけに言い争いになった、とかそんな話も聞いた。本末転倒というかなんというか。「音楽を必要としてる人」とかいかにも奉仕めいたことを言っているが「演奏活動のためにあんた(ら)が観客を必要としてるんだろ」という思いがどうしてもよぎってしまう。そして演奏活動のために観客を必要としているのは、コロナと全く関係ないことで「こんなとき」というのは全く関係ない。「こんなときだから」生の音楽を提供したいというなら、無償や赤字でもやるのかな?やるわけないよね。
とまあ、演奏に関わってる人間がこんなこと言っていいのだろうか?たぶんダメだろうな。

円安もとんでもない勢いでコントラバスの弦は比較的安く手に入りやすいスピロコアも2000円ほど値上がり、ロシアの戦争の影響もあり(あんな蛮行がもう半年以上行われているのか)、パンやパスタも高くなると言われている。困ったもんだ。そしてあらゆる物価が上がるなか、日本の賃金は20年据え置きと言われる。困ったもんだ。


どうも文字通り、景気の悪い話ばかりになる。サイードが晩年のインタビューで音楽家について語っていた。「昔と違い、今の音楽家は頼まれたことを行うだけです。そしてそれを仕事と思ってます」サイードの言う音楽家とは、主にクラシックの分野の人を指しているのだろうが、実情は同じだろう。そしてサイードの指摘が正しければ、昔の音楽家はもっと自由に活動し、依頼されたことだけをやる精神ではなかったのかもしれない。そういえばグールド。観客を前にする演奏から離れ、執筆と録音しかしなくなった。当時その活動を批判的にとらえたり、残念がった人は多かったろう。しかし彼を音楽家と認めない人は昔も今もいない。

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