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阿部恭平の
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Vol.203
2022 09/17 Sat.
カテゴリー:

Qui est responsable ?

ヒトラーとスターリンというNHKのドキュメンタリーをたまたま見つけて録画してみた。どうやら元々フランスで2021年に放映されたらしい。海外のものらしく、追い詰められたゲッペルスが心中する前に毒殺した自分の子供達の遺体など、悲惨な風景もしっかりと流れる。

またベルリンを陥落させたばかりのソ連の兵士達が広場で嬉しそうにコサックダンスを踊る姿などは狂気じみたものに見えた。とはいえ、この手のことはどこでも起きている。かつてドイツを下しヨーロッパを征服しようとしていたナポレオンが作った凱旋門を、フランスを占領下に置いたナチスとヒトラーは嬉しそうに闊歩したとか。やれやれ、いずれも狂気だね。やっぱり戦争自体が狂ってるってことだよ。

さて私が見たのは後編だけで、前編はきっと以前に放映していたのだろうが、今となっては仕方ない。ヒトラーとスターリンがどのように接近し、どのように戦争に至ったか、ということを中心に歴史を振り返っている。自分はナチス周辺、第二次世界大戦あたりの歴史にはなぜか昔から興味を持ってしまうのでつい追ってしまう。決して良い趣味とは思わないけれど、これまた仕方ないことだわな。

スターリンは戦後にヒトラーの遺体を執拗に探したという。まあソ連としては「自分達(こそ)が世界の敵ヒトラーをやっつけた」という勲章が欲しかったということもあるだろう、それは自然な流れだ。頭蓋骨を発見してそれをソ連に秘密裡に持ち帰り、医学者達にヒトラーのものに間違いない、とスターリンは確認する。その後が狂気というか、政治的というか、なんというか。スターリンは自ら「ヒトラーは見つからないから死んでいないかもしれない。南米に逃げて暮らしているのではないか」という噂を積極的に流し続けたという。もちろんその証拠となりそうな頭蓋骨は手元に置いているのだから、まわりも「ヒトラーの死」を立証できない。いやはや、なんだかわけのわからない話ですな。とはいえ、色々と想像はできる。一番わかりやすいのはヒトラーという存在がいた方が自分達が自由にやりやすかったということだろう。それより何より気になるのは、ヒトラーの頭蓋骨であると判断した医者。おそらく消されたんだろうなあ、と思うと、まことに恐ろしい話。まるで今年の大河ドラマ、鎌倉幕府の始まりの頃のようだ。

ナチスの収容所を舞台にしたドキュメンタリーの「夜と霧」、最後にはナレーションでqui est responsable ? という言葉が繰り返される。直訳すると「誰が責任者だ?」となるし、「誰のせいで(こうなった)?」とも読める。スターリンもヒトラーも元は人の子。先の好色のゲッペルスが愛人を作り「家族を捨てて愛人と暮らしたいから(当時同盟国であった)日本に赴任させてくれ」とヒトラーに申し出たことがあり、ヒトラーは必死になだめて奥さんとの間にも入り、家族で引き続き暮らすよう説得したという。それだけ聞くとなかなか人情あふれる上司に思えるから不思議だ。誰の、何のせいで悲劇はおこるのか。そして残念ながら現在も進行中である。

 

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