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Kyohei
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阿部恭平の
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Vol.204
2022 10/13 Thu.
カテゴリー:

9月に聞いたチェロコンサートから

9月半ば、久々にクラシックのコンサートに行った。チェロのイッサーリスのコンサート。彼の希望でもってロシアの曲だけをやるものになっていて、ショスタコーヴィチ、ラフマニノフのソナタが演目に入っていた。この二曲は昔から好きだったので実に楽しめた。その中でも特にショスタコーヴィチのソナタの2、4楽章は若い頃から好きなもので、コンサートで聞くのは久々だった分ほどよい興奮を味わえた。
今年の二月からロシアの芸術もなんらかのキャンセルカルチャーにさらされることになった。おそらくイッサーリスもそういった趨勢に疑問を抱く形で演目を決めたのだろう。そりゃ戦争はいかんけども、キャンセルカルチャーはどうもな。なんというか、かつての戦争時に飛行機を落とそうと、空に向かって竹槍を突き上げる訓練をしていたのに通じるものがあるよね。ロシアの曲は劇や文学を避けることで、目下のウクライナの人達がどのように救われるというのか。全くもって別次元の話だよ。戦争の是非はともかく、ロシア側もそんな話を聞いても悔しがったり戦争をやめようとも思わないだろう。
人はしばしば正義をもとめる。かつて女性にハラスメントを行っていた映画監督、関係者は糾弾された、#metooという活動があった。おそらく彼女達の主張は正しいのだろう。ただしそれと映画作品の価値とは関係がない。何人かの映画監督と共に彼らの作品は抹消されたようだが。
先のショスタコーヴィチもスターリン時代に恩恵を受け、体制側の人間として扱われることがあったし、逆に体制に不満を抱きながらも仕方なくソ連に居続けたと言われることもある。はっきり言って、どちらでも良いではないか。いずれにせよ彼の作品からはそんな薄っぺらい恩恵や反抗心などよりも、ずっと深い葛藤や物悲しさ、そしてエネルギーがあふれているのだから。
「きれいはきたない、きたないはきれい」と書いたのはシェイクスピア。何年経っても人は「きれい」を求め、「きたない」を嫌う。

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