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阿部恭平の
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Vol.250
2024 04/04 Thu.
カテゴリー:

Sylvain Luc のこと

4月になった。卒業や決算なども3月。年度末という表現もあるからか、年末とは別に3月も何か仕切りなおしたような気分にはなる。確定申告で気づいたが、昨年の夏にやたらとカード決済で散財しており「なんでこんなに?不正使用でもされたのでは?」などとちょっと焦ったけれど、動物病院の費用だったことがわかりホッとしたような、寂しいような。ま、そんなわけで色々なことを思い振り返る月だったのかな。

 

 

そんな中、追悼の意味も含めて(ってわけでもないんだけど)Sylvain Lucの音楽をよく聞いた。3月半ばに58歳にて急に亡くなったらしい。思えば自分にとってのジャズの分野でもギターのSylvain LucとBireli Lagreneの2人がアイドルであった。フランスに住んでいた間もパリ周辺での彼らのコンサートは見逃さなかったし、友人とも「新作聞いた?」とか「ライブ見に行ったよ」などと彼ら2人の話をよくしていた。一度楽器を持って自分の部屋に戻ろうとしていたらアパートの一階に住んでいるおばさんに「あなたコントラバス弾くの?私音楽大好きなのよ。週末うちでパーティーやるから持ってきなさいよ、ピアノ弾く人もくるから!」なんて誘われたことがあった。(こういうところ、すごくフランスっぽいね)そういうところで知り合った人に「どういうギタリストが好きなの?」なんて話になっても、その2人の名前はジャズなどジャンル関係なく、音楽好きの人のなかでは知られていた。

 

 

フランス人の友人のミュージシャンとも「Sylvainと会ったことある?」などとちょっとウキウキしながら話したものだった。たまに「意外と冷たい」「若手を見下すところがあった」とか聞くと「あんな繊細で美しい音楽をやる人が?なんかの間違いだ!」などと反発したこともあった。(でも何人かから、そんな話を聞いたからそういうところあったのかもな)何人かの数少ない友人からも「Sylvain亡くなったねー」と残念がる連絡を受けた。彼らがSylvainに敬意を払っており、よく聞いていることは前々から知っている。しかし妙な追悼文を公に書いたりしないのが実によろしい、見習いたいくらい。こんなところに長々と思い出を書いている私は不粋かもね。

 

 

なんにせよ他のどういったギタリストに影響を受けたのか判断しづらいくらい個性的、上品でありながら、時に情熱的な面をも見せる稀有なギタリストを失ってしまった。オリジナルからジャズスタンダード、シャンソンやポップスまでもレパートリーに加え、決して高みに立って聴き手を遠ざけるようなこともしない。Bireliとのデュオ作品はもちろん、個人的にジャズギタートリオという編成は必然的にハーモニーが薄くなるため一辺倒になりがちと思っているが、Trio SudのCD(特に1枚目と2枚目は)は特別な作品であった。

https://www.youtube.com/watch?v=Q5YDrMXaq8k&list=LL&index=9

 

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