縁と偶然とアルゴリズム
先日、アコースティックギター・マガジンのお手伝いでアントワーヌ•ボワイエへのインタビューを行った。7、8年前か、彼から「~月頃韓国に行くから、そのついでに日本に寄ろうと思うんだけど、ライブかセッションできないかな?」というメッセージが友人を通じてきたことがあったけど、その時は都合があわなかった。また機会あれば、という感じで終わったけれど、今回は初の来日コンサートだったようで。自分は予定があってコンサートには行けなかったけれど、会って話せたのは貴重な時間だった。雑誌が出る頃にまた追って報告するので興味のある方はぜひ。
自分はアントワーヌのYouTubeと音源をチェックする程度で経歴等はそれほど知らなかったので、話していて意外なことや知らないことが多く新鮮だった。(半年ほど前の同誌によるビレリのインタビューの際は、普段から彼のことを細かくチェックしていたもので確認に近かった)インタビュー中、彼のクラシックのギターの師匠達の名前が出たところで「聞いたことある?ぜひ聞いてみてよ」と言われた。
それからというもの、自分はたまにセゴビアを聞く程度でクラシックギターには疎かったけれど、彼の師匠達を中心に聞くようになった。影響を受けやすいから?それもあるけど、なんというか、これも縁かな、と。たまたまインタビューの予定日に自分が空いていて、会える予定のなかった人と話して、知らなかった音楽家を知ったんだから。
ただクラシックギタリストを幅広く聞き始めているか、といえばそうでもない。今のところアントワーヌから教わった人以外は聞かず、YouTubeの再生回数の多そうな関連動画なども基本的には見過ごしている。別に詳しくなりたいわけでも有名な人を知りたいわけでもなくて、元はといえばアントワーヌ自身の演奏が素晴らしいからこそ興味を持っただけの話でね。アルゴリズムや調べて得られる多大な知識よりも、たまたま知った些細な情報を重んじたいのも自由だろ、てなもんで。そもそも教えてもらった人達を聞くだけでも充分満喫できているしね。若い頃だったら勉強みたいな気分で色々と調べそうな気もするけど、こういうのは歳を重ねたってことなんだろうか。
そういえば先日、誕生日だった。当日はのんびり過ごして、夕方に図書館に予約した本があったので借りにいった。図書館のカードを読んだときに登録情報でも出たのか、ふいに担当の方から「あ、お誕生日なんですね、おめでとうございます」と微笑まれた。少し驚いたけど自分も一応「ありがとうございます」と照れつつ返した。どこかの店舗やサイトからのDMじゃなんとも思わないけど(当たり前だ)、これも偶然言われたことだからこそ少し気持ちも弾んだような気もする。こういうやりとりもAIや機械対応になればなくなるんだろう。そう思いながら帰途についた。









